尾鉄廃線跡を歩く6


金野町〜大杉谷口(0.4キロ)

 金野町の駅を過ぎると、すぐ左手に国道に戻る道がある。先ほどのおじさんの話では「金野町を過ぎたら鉄橋があって、そこで行き止まりだよ」とのことなので、国道を迂回しようかとも考えたが、せっかくだから鉄橋を見てから引き返そうと思い、そのまま歩いた。何せ「尾鉄最大の鉄橋で必見!」みたいな文が、本には載っているのだから...。もう夕方なので西日がさしてくるのだが、歩けど歩けど橋は見えてこない。林の中の農道をひたすら歩いた。

大杉谷口〜西大野(1.0キロ)

 林を抜けると畑に出た。農作業のおばあさんが不思議そうな顔で見ている。別のおじさんも然りだ。「あれ?おかしいぞ...」地図と地形を照らし合わせると、全く噛み合わないではないか...。仕方なく少し引き返し、国道に戻る事にした。橋を渡るところでお婆さんが来たので道を尋ねる事にした。「ここはどこですか?」我ながら情けない質問である。お婆さんは「ここは大野です」と言い、さらに僕の地図をみて親切に場所を教えてくれた。「あっちが花坂で、そこの農協の所が西大野の駅があった場所ですよ」。なるほど、助かったぁ!しかし鉄橋も見れなかったし、大杉谷口を通過したのも失敗であった。どうやら鉄橋は薮で隠れており、更に悪いことには、廃線跡と農道がつながっていたようだ。とりあえず、西大野の駅には辿り着く事ができた。横から飛び出る形になってしまったが...。

西大野〜花坂(0.9キロ)

 西大野の駅は、すっかり整備され跡形もなくなっていた。ただ昔の写真に写っている神社の場所だけは、そのままの位置であったので、場所の確認は出来たので良かった(右手、白い車の後ろが鳥居)。歩道の部分が昔の線路跡である。

 そろそろペットボトルの中身も空になったので、近くの自動販売機でオレンジジュースを補給する。最近は500mlで120円の缶ジュースが多いので、財布に優しいなぁ...などとくだらない事を考えたりしながら、中身をペットボトルに移した。この時、なにも考えずに、空き缶を捨てる場所を探して真直ぐ歩いてきたのだが、こちらは新道であり、町の中を抜ける旧道が正しいルートである。またもや廃線から外れてしまった。しかし、結局は合流するし、3日後に車で正しいルートを通ったのでよしとしよう。新道と旧道の合流地点に来ると線路跡があらわれる。少し登って、線路跡を歩くが、すぐに一旦とぎれてしまう。(写真では左手が廃線跡、右手が国道である。)

 また登ってそのまま歩くと、お墓の前に出てしまった。「わぁ、すいませ〜ん!」と心の中で叫んで、下のアスファルトの道に戻った。そのまま歩くと神社と花坂の集落が見えてくる。神社の手前の遊歩道(サイクリングロード?)に入ってすぐが花坂の駅があった場所である。廃線跡が舗装されて、そのまま遊歩道になっているのだ。


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