尾鉄廃線跡を歩く8


吉竹〜西吉竹(0.4キロ)

 吉竹の駅には何も跡形がなかったが、この場所であろうと、特定はできた(写真参照)。吉竹の駅を過ぎた辺りで、遊歩道は普通の道路に変わってしまう。歩道も整備された大きな2車線道路だが、線路跡は道路に飲み込まれてしまっている様子である。ここからは、しばらく直線である。が、吉竹を過ぎた辺りで道を間違えた錯覚を起こし、Πの字型に住宅地の中を迂回してしまった。地図では更地なのに、実際は住宅地だったので、道を間違えたと思ったのだ。とりあえず元の道路に戻ったのだが、どうやらそれで良かったようだ。あのまま直線に歩いていたら何の問題もなかったのになぁ...。

西吉竹〜新小松(2.7キロ)

 西吉竹の駅は結局わからなかった。やはり新しい道に飲み込まれているのだろう。そのまま歩くと自転車道路になるのだが、そこが廃線跡になる。沿線には墓地が見える。写真集「尾鉄よ永遠なれ」の中の一枚はここで撮影されているのだなぁ、と思いながら歩いた。ひたすら直線の自転車道路が続く。無理すれば車一台が通れる幅だが、すれ違いはたとえ人であっても無理そうだ。なにせナローゲージだったのだから。歩いていると、どこからともなく盆踊りの音が聞こえてくる。すでに時間は夜7時を過ぎている。「今日はお盆なんだなぁ」と改めて実感しながらも、ひたすら歩いた。やっと自転車道路が終って、国道8号線との交差である。小松周辺の方にはお分かりかもしれないが、マツヤデンキとケンタッキーフライドチキンの間、ホテルサンルート小松の向いに出てくる。車が途切れるのを待って、国道を走って渡る。さすが1ケタ国道、交通量はさすがに多い。ホテルの駐車場の脇に雑草の生えている空き地があり、そこが線路跡である。その草むらを歩いて過ぎると鋪装された道に出るので、ここからは歩きやすい。大きな右カーブはいかにも線路跡である。カーブを曲がり切ってしばらくあるくと見たことのある景色が見えてくる。今は月極駐車場になっている所が車庫のあった場所だ。県道を渡ると自転車置き場があり、その辺り一帯が新小松の駅のあった場所である。ようやく廃線歩きの旅が終った。全線16.8キロ。迂回や引き返した距離を考えると20キロは歩いただろう...。JR小松の駅前でペットボトルのオレンジジュースを飲み干した。すでに温かくなっていたのだが、すごくおいしく感じられた。

 さて、金沢の実家に帰り、早速家族に報告する。しかし、家族からはバカ者扱いである(^^;。靴もズボンも、ドロドロにして帰って来たから仕方ないかな?廃線歩きが市民権を得るのはまだまだ先だなぁ...と感じた(笑)

おわり


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